お母さんの涙
母には姉と妹がいる
近くに住む妹の話である
私の叔母はここ何年か、少しずつ記憶が途切れたり、思い出せなかったり、突然怒ったり、何度も同じことを聞き返したりする
最近は、曜日と日にちがわからなくなり、ゴミ出しの日を毎日、母に電話して聞いているようだ
そして、毎日のように朝早くからやって来る
帰りは、夕方遅くになることがあり、私も時々、出会うことがある。
その時は、何気ない会話のため、おかしいと感じる事はないのだが、、
母がかなり疲れている様子なので、大丈夫?と聞いてみた
すると、関を切ったかのように今日の出来事を話し始めた
昨日、妹には今週は病院には行かなくてよいこと、ゴミ出しもしなくてよいこと、ゆっくり寝れるねと話したこと、、
なのに、今朝8時前に、玄関のチャイムが鳴り、妹がお出かけ用の服で、身なりを整え
今日は、病院に行く日、自宅で待ってたのに、母が来なかったため、迎えに来たと…
母は、今日は病院は無いからと説明し、おばを招き入れ、朝食を一緒に食べたと話した
それから、ずっと夕方まで叔母と一緒だったと…
私は、少し強い口調で、早く叔母さんの事を離れて暮らす息子達に話した方がいいし、病院へ連れてってあげた方がよいことを説明した
すると、母は、あんなにしっかり者だったのに、なんだか、かわいそうになって、、、と声を詰まらせて、泣いた…
私は、母も毎日、段々と壊れていく妹を見ながらどんなにかつらかっただろうと、
母もかなり憔悴してきっているので、早く叔母から解放してやりたいとも思った
私がいとこに連絡すると伝えたら、私がするからと、自ら電話して今日のことを話していた
次男はようやく、近いうちに病院に連れていくわァーと返事をしていたが、いつになるのか…怪しいところだ。
私的には一刻も早く受診をしてほしいものだ
認知症は、誰もがなりうるものだから置き去りにしないで、きちんと対処しなくては、周りの人間も振り回されて、疲弊していく
叔母をみていると、
叔母のように、歳をとって1人ではろくにご飯も食べず、部屋の片付けにあけくれ、一言も会話のない生活は、寂しいものだなぁと、、思ってしまった
今日、母が流した涙は全てを物語っている
ねぇ、、お母さん
叔母さんはどんどん忘れちゃうから、、
お母さんが後悔しないように、おばさんと向き合えばいいと思うよ
でも、疲れたら距離を置いて休むことも大事だから…
また、明日も叔母が朝早くから来る日常が待っている…